[環境@辺境]貪欲な火 手なずける…編集委員 佐藤淳

[環境@辺境]貪欲な火 手なずける…編集委員 佐藤淳
2015年2月5日15時0分 読売新聞

鷹見安浩撮影

 アフリカの人たちはなぞなぞが好きだ。獣の気配を宿す闇を背に、いつ果てるともなく続く夕食後の語らい。素朴な謎かけ遊びは、おき火を囲む村人の輪から生まれる。

 この世で一番欲張りなやつなぁーんだ? 東アフリカのサバンナに暮らすマサイ族の答えは「火」。西アフリカのヨルバ族は、火の勢いを屋根まで伸びる馬のたてがみに例えた。

 世界の謎かけを集めた『なぞなぞの本』(福音館日曜日文庫)をめくっていたら、アフリカの火はどれも、貪欲でどう猛なイメージなのに気づく。貴重な薪を食べ尽くしてしまう。そこに火の貪欲さを感じるのだとすれば、理由はわかる。アフリカのかまどは燃費がすこぶる悪いのだ。

 乾いた地面に放射状に置かれた三つのれんが。その上に蓋のない鍋が、一つ載っている。マラウイの多くの農村で見たのは、かまどとは名ばかりの代物だった。

 日本のNGOの支援で導入された改良かまどは、従来の半分の薪で三つの煮炊きが同時にできる優れもの。作り方を村人に伝え、400基が設置された。かまどは地元の材料で作れるし、燃費が上がる分、木の伐採量が減り、森林保護にもつながる。

 マサイ族の謎かけをもう一つ。一生で一番大切なものなぁーんだ? 答えは「胃袋」。火なくして人は生きられない。さればまず、欲張りな火を手なずけることである。

 日本人の言う冗談よりも、アフリカ人の謎々の方が意味は深いなと感じます。私は冗談下手だから、少しあふりかの謎々を調べて、発想を学ぼうかな? まあ、現地に行けば、そんな望みもかなうはずだが…。幸せに暮らしてほしいと思いました。