京大VS米企業 iPS細胞の特許めぐる争い決着

京大VS米企業 iPS細胞の特許めぐる争い決着

2011年2月2日
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 京都大の山中伸弥教授らが開発したiPS細胞(人工多能性幹細胞)の特許について、京大は1日、米国での取得を争っていた米企業から譲り受ける契約を結んだと発表した。米国での特許取得へ向けて前進した。先に発明したことを証明するための係争で、多額の費用や労力を使うことも回避できた。

 京大が出願した特許は日本では成立していたが、その一部が米企業の出願と重なっていた。そのため、再生医学の先進地・米国では、その特許を米企業が押さえる可能性があり、技術普及の妨げになりかねなかった。

 京大によると、1月27日に米バイオ企業「アイピエリアン」と契約を締結した。京大はア社の持つiPS細胞製造に関する成立済みと出願中の特許を無償で譲り受け、ア社は京大の特許を使って研究開発を行うことができる。山中教授がア社の科学諮問委員となり助言する。

 マウスのiPS細胞は京大が世界に先駆けて開発した。その後、競争が激化し、複数グループがヒトiPS細胞の開発に成功した。独医薬品企業バイエル傘下のバイエル薬品もその一つ。

 京大はマウスやヒトに限定せずに特許を申請し、日本では成立した。バイエルは出願中の特許をア社の前身の米ベンチャー企業に譲渡。ア社は京大特許の一部と同じ内容で、ヒトに特定して英国で特許を取得した。

 特許の審査は国ごとになされる。日本を含む多くの国は先に出願した人に権利が与えられるが、米国は先に発明した人が権利を得る。同じ内容の特許出願があった場合に、実験記録などの証拠をそろえて提出したり、反対尋問をしたりしてどちらが先に発明したかを争うことになる。

 この手続きが宣言される直前に、争いを避けるためのア社の申し出を京大が受け入れた。松本紘京大総長は「膨大な時間と費用がかかる特許係争を回避することが、iPS細胞研究と技術普及の加速につながると判断した」と述べた。山中教授は会見で「メリットは研究に多くの時間が割けること」と語った。

 再生医療や創薬の研究が最も進んでいる米国でiPS細胞の特許を企業に押さえられ、独占的に特許を使われると、より多くの人が研究に参加できなくなるという。

 一方、iPS細胞の関連特許は世界で続々と出願されている。医療産業などに応用される際には、多数の特許の組み合わせが必要になるとされ、今後も特許戦略が求められる。(瀬川茂子)

私は私のiPS細胞関連の論文(レポート)に関して、公知化をしますので、特許関連起業者に関しては、随時調整作業に入っていただくよう宜しくお願いいたします。