菅首相「政治運営、問題あり」と官僚排除を転換

菅首相「政治運営、問題あり」と官僚排除を転換

民主党
 菅首相は21日、省庁間の政策調整について、閣僚・副大臣ら政務三役だけでなく、次官・局長らによる調整も容認する方針を示し、「政治主導」の名の下に官僚を排除してきた姿勢を大きく転換した。


 2009年衆院選マニフェスト政権公約)の見直しに続き、政権交代の旗印だった政治主導についても、軌道修正を余儀なくされた格好だ。

 「皆さんとともにいい国をつくろうとしているわけだから、遠慮なく大臣、副大臣、私に対しても意見を言ってほしい」

 菅首相は21日午前、首相官邸の会議室に顔をそろえた各府省の次官らに対し、終始にこやかな表情で呼びかけた。

 民主党は、野党時代から官僚主導の政策立案や調整を厳しく批判してきた。09年のマニフェストでは、「政務三役を中心に政治主導で政策を立案、調整、決定する」と明記。これを受け、鳩山政権は次官会議の廃止や政務三役会議の設置など官僚排除を推進した。

 しかし、省庁をまたぐ重要政策の調整を担ってきた次官会議の廃止は、行政の混乱を招いた。鳩山政権下で提出された国家公務員法等改正案や郵政改革法案は、閣僚の一部が閣議決定直前に異論を唱え、決定が延期された。政務三役会議で決まったことが官僚に知らされないという弊害も各省で次々と表面化していた。

 菅首相は21日の訓示で、「次官と政治家が積極的な協力関係を築いてほしい。現実の政治運営の中では、反省、行き過ぎ、不十分な問題が色々あった。政治家も『自分たちだけで大丈夫』では、物事が進まないことも理解している」と述べ、従来の「政治主導」の非を認めた。

(2011年1月22日17時45分 読売新聞)

私は議員内閣制、行政の双方に、反省、行きすぎ、不十分な問題があったと思って見ておりますよ。
以前の菅首相の著作によりますと、――行政式のボトムアップを廃し、議員内閣式のトップダウンで施行しなければ仕事が出来ないという主張であったのですよね。その事に関する実例を明示しながら著作は書かれておりましたが、私は逆に議院内閣制のトップダウンでは仕事に早晩行き詰まりを見せるであろうと、思っておりました。

大臣 増補版 (岩波新書)

大臣 増補版 (岩波新書)

私は官僚のボトムアップ方式の政策立案、調整、決定はそれなりに機能をすると思っておりまして、実際の政策企画、案出に関する仕組みは官僚機構の方が優れていると感じていたのも事実であります。
そもそもトップダウン方式に、仕事の創造性を見込めるであろうか?


ただ官僚も、必要十分な行政機構の構築となると怪しく、余分なものを多く作り過ぎているのも実際の話だと思って見ております。
日本には税で、もう余分な物を作るゆとりは無くなってしまった。
故に天下り先の確保のための政策立案を、認めるゆとりも無くなってしまいました。

官僚はそれを甘く見積もっておりましたし、その事に関する反省が必要だったのは、必然の事であったように思います。
その事に気付かせる為に、一時期トップダウンが勝って見せたのも必要な事であったように思います。

私は議院内閣制、行政双方がそろそろ手打ちをして、仕事の正常化を諮る必要があったように思います。
そういった意味で、菅首相が今回官僚に歩み寄りを見せたのは、重要な出来事であったように思います。
ただ、議員は国民に信を問う方法論を持って仕事にあたっております。行政にはそういった仕組みは無いのでありますから、行政は議員内閣に従う義務があると思っております。
トップダウン式の書類と、ボトムアップ式の書類とがワンセットで対応している事を優先させ、仕事が効率良く進むようになる事を切に祈っております。

願わくば、創造力の芽を潰すような政治の行い方を、廃していただきたいな、と思っているところであります。